内臓脂肪の貯めすぎがもたらす内臓疾患
一時期、「メタボリックシンドローム」が大きな社会現象になりました。
太り過ぎは身体に良くないというのは当たり前の事なのですが、言葉だけが独り歩きして安全範囲に入るような太めの人までやり玉に挙げられてしまったのは、マイナスだったといえます。
しかし、メタボリックシンドロームに認定されるレベルで内臓脂肪がたまっている人は、健康面で非常に危険な状態にあるのは確かです。
内臓脂肪の蓄積は内臓疾患の原因になってしまうのです。
飲み過ぎが生み出す脂肪肝
脂肪によって引き起こされる内臓疾患の代表格は脂肪肝です。
食べ過ぎによる脂肪過多や飲み過ぎによるアルコール性肝障害を原因として発生する脂肪肝は、肝臓を構成する肝細胞に脂肪がまとわりついて霜降り状態になってしまっているのが特徴です。
脂肪肝が進むと肝細胞の線維化が起こり、肝臓の機能が低下する肝硬変を引き越してしまう事があります。
また、脂肪肝・肝硬変で肝細胞に負担が掛かった結果肝ガンに繋がってしまうこともあるため、早期の治療が欠かせません。
糖尿病から腎不全になることも
肥満の人は脂肪の元になる炭水化物・脂肪分・糖分を過剰摂取している事が多いため、糖尿病に悩まされる事が多いものです。糖尿病は、膵臓で処理しきれないほどの血液中の糖分が増えることで起こる病気で、一生付き合っていかなければならないといわれています。
糖尿病を発症すると糖分で血液の流れが滞り、失明や手足の壊死・切断に至ることがありますが多くの場合、血液中の老廃物を処理する腎臓に大きな負担を掛けることに繋がります。
血液中の糖分が腎臓に溜まってしまい、腎機能の低下を招くだけでなくついには腎不全になってしまうのです。
腎不全を起こした腎臓は元には戻らないため、人工透析や腎臓移植を行わなければならなくなるので糖尿病には十分に注意しなければなりません。
高脂血症から起こる心臓への負担
肥満が進むと、血液中は糖分や中性脂肪がたっぷりと詰まっていてドロドロの血液になってしまうものです。
そして、中性脂肪の多い高脂血症は心臓へ負担を掛けてしまう原因になってしまいます。
血液中の中性脂肪が多いと、血管の内壁に脂肪がへばりついて動脈硬化を引き起こし血行がスムーズにいかなくなってしまいます。
滞った血液は血管内で固まって血栓になり高血圧の原因になってしまうのですが、血流で血栓が剥がれて飛んでしまうと脳卒中や心筋梗塞を引き起こしてしまいます。
また、血栓が出来ないまでも動脈硬化が続けば血液を送り出す心臓にも大きな負担が掛かってしまい狭心症を引き起こしてしまうこともあるのです。
このように肥満は命の危険さえも引き起こしてしまう恐ろしいものなのです。