【長い咳は肺がんの恐れあり】見逃してはいけない癌の初期症状|内臓疾患ファイル

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2012年12月10日
【長い咳は肺がんの恐れあり】見逃してはいけない癌の初期症状

肺がんの症状としてあげられる『痰と咳』。風邪に似ている事から早期発見が難しく、痛みによって自覚する頃にはステージが進んでいる肺がん。しかし高い死亡率の理由はそれだけなのでしょうか?日本人が最も気を付けなければいけない肺がんを調べてみました。

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肺がんが治りにくい理由

肺がんは数あるがんの中でも治りにくい『難治がん』として有名です。
その原因はいったいどこにあるのでしょうか?

1. 初期症状が分かり難い

がん治療で最も重要な事が、『早期発見・早期治療』です。
しかし、肺がんではこの早期発見が難しいという事があげられます。

肺がんの症状

以下のような症状が肺がんの症状です。

  • 長時間、咳が止まらない。
  • 痰に血が混じる。
  • 呼吸がしにくくなった。
  • 胸や背中が痛む。
  • 発熱が続く。

一見すると、風邪を引いた時の症状と変わりません。その為、気が付かない場合が多いのです。

気が付いた時には進行している

さらに、このうち『初期症状』と言えるのは、『咳』と『痰』の二つしかありません。
しかも、場所によってはレントゲンでも確認する事ができない事も多く、発見が遅れる原因となっています。

他の場合、『呼吸』では、がんが広がり肺の機能が落ちているか、大きくなった腫瘍が気道を塞いでいると考えられます。
『胸や背中の痛み』に関しても、肋骨や脊椎にまでがんが転移しているのでしょう。
また『発熱』も同じく、肺がんになった箇所が炎症を起こし肺炎になっていると考えられます。


2. 肺がんは転移しやすい

肺はその性質上、血液が集まりやすい臓器です。
その為、がんは血液やリンパを通って、たやすく全身に転移します。
特に転移しやすい場所としては『脳』『骨』『リンパ節』『腹膜』『肝臓』などが有名です。
この頃になるとようやく痛みを自覚するようになり、肺がんにかかっているが分かります。

3. 化学療法が効きにくい

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がんには『手術』『放射線治療』『抗がん剤』を用いて治療を行います。
しかし、手術により感知する確率は40%。抗がん剤では50%と他のがんに比べても低い確率です。
また、放射線治療に関しても、小細胞肺がんには高い効果を発揮しますが、肺の奥にできる腺がんなどには有効とは言えません。

がんは予防を第一に考える

肺がんの原因として真っ先に思い浮かぶのが『タバコ』ではないでしょうか。
実際、タバコの成分を分析すると、ニコチンやタールを始め4,000種類の化学物質のうち、2,000種類が有害。さらに60種類の発がん性物質が検知されました。

タバコはがんの発生率を上げる

肺がんに限定すると、喫煙者と非喫煙者では『男性で4.5倍』、『女性で4.2倍』発生率が上がると言われています。
また、肺の入り口近くにできる『扁平上皮がん』と『小細胞がん』に関しては、圧倒的に喫煙者に偏りが見られ『男性12.7倍』、『女性17.5倍』となっています。

タバコは肺がんだけではない

タバコは肺だけではなく、全身のがんにも影響を与えます。
例えば、女性死亡率1位の『大腸がん1.4倍』、男性の死亡率2位・女性3位の『胃がんでは2倍』といずれも特に危険ながんの発生率を引き上げている事が分かります。
他にも「喉頭がん」、「咽頭がん」、「口腔がん」といった喉や口周辺のがんから、「肝臓がん」、「子宮頸がん」、「骨髄性白血病」と、煙と関係のなさそうな場所にまでがんのリスクは広がります。

「1mg」に隠された誤解と危険性

1mg、ライトとされているタバコでも使用している葉は通常の物と変わりません。
違いがあるのはフィルターの部分に開けられた小さな穴。
フィルターに穴が開けられる事により、タバコを吸った際に多くの空気を一緒に取り込み、体内に入るニコチンの量を薄くするという意味でしかありません。

しかしタバコを持った際にフィルターの穴をふさぐこともできますし、また体内のニコチンの量を無意識に調節する為、より深く煙を吸い込んだり、純粋に本数を増やす事になりかねません。

健康を考えて軽いタバコに変えたはずが、結局はより多くの有害物質を深く取り込むことになり、タバコを変える以前よりも健康被害のリスクを増やしている事になります。


新薬にかける期待

肺がんに関するニュースは暗い話ばかりではありません。
現在、第4の治療法として注目を集めている『がんペプチドワクチン』です。
これは、人が本来持っている免疫力を高め、がん細胞を攻撃する薬です。

薬の原料は患者の血液より培養するので拒絶反応もなく、もともと持っている免疫力を高めるだけなので副作用も少ない。さらに化学療法では治療の難しい末期がんに対しても効果を発揮する夢の様な薬です。

すでに多くのワクチンは臨床研究を終え、治験を行っています。
その中でも、肺がんに効果のあるいくつかのワクチンに限っては、申請一歩手前の段階まで来ています。
近い将来、肺がんは難治がんではなく、治療可能ながんになる日が来るのかもしれません。

著者:渡辺芳樹

企画やWEBサイト製作までも手掛ける、ライターもどき
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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。