【補完代替医療】副作用のない3種類(フコイダン、βグルカン、がんワクチン)の新しい癌治療の可能性|内臓疾患ファイル

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2012年12月10日
【補完代替医療】副作用のない3種類(フコイダン、βグルカン、がんワクチン)の新しい癌治療の可能性

癌治療には抗癌剤や放射線治療による副作用が付きまといます。しかしこの副作用がない治療法の研究が進んでいる事をご存知ですか。『補完代替医療』という日本では意外となじみの深い新しい治療法の形を紹介します。

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補完代替医療とは

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癌のみならず、病院で治療を受けるほとんどの場合は、処方薬、治療法、ともに西洋医学を元にしています。
この西洋医学を助け、補う治療法の事を『補完医療』
西洋医学に変わる新しい治療法の事を『代替医療』と呼びます。
しかしこの二つを切り離して考える事は難しく、『補完代替医療』として考える事が増えてきました。
また、西洋医学(通常医療)と、補完代替医療を組み合わせて治療にあたる、『統合医療』という考え方も浸透しつつあります。

欧米から伝わった補完代替医療

補完代替医療は「Complementary and Alternative Medicine」。通称『CAM(カム)』と呼ばれる欧米の考えが元になっています。
欧米で補完代替医療と考えられているのは、

  • 東洋医学やアーユルヴェーダをといった『伝統医学』。
  • カイロプラクティックやオステオパシーのような『民間療法』。
  • 特定の食材や食事法を取り入れる『食餌療法』。
  • 一般には浸透していない『先端治療』

といった物が、分類されています。

補完代替医療の注意点

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西洋医学では科学的根拠『エビデンス』を元に治療を行います。
つまり薬を使用する際にも、その薬が体内で病気に対してどのように作用するか、またAという病気に対してどの程度の確率で効果があるか、といった情報を様々な方法で収集し、その結果を見て薬や治療法の信頼度を図ります。

それに対して補完代替医療では、作用は分からないが長年の経験により効果がある、もしくは確立にバラつきはあるが効果があった、といった『エビデンスが無い』治療法が多く存在します。
その為に、医療効果や安全性に疑問が残るものも多く、また保険適用がされない為、治療費が高額になる事も決して少なくはありません。
補完代替医療には、そういった不確定要素を考えて利用する必要があります。

注目されている補完代替医療

癌に対して治療効果があるとされている補完代替医療を紹介します。
しかしここにある物はまだ科学的根拠(エビデンス)が確立されたわけではなく、治療効果がない、もしくは逆に癌の活動を活発化する可能性も少なからず存在します。

フコイダン

もずくや昆布、わかめといった海藻の「ぬめり成分」に含まれている硫酸多糖の一種。
癌細胞の死滅、転移抑制、免疫力の向上に効果があるとされているが、全て実験室での研究成果。
医薬品として認められていないので、販売上は健康食品として扱われる。

フコイダンの効果

癌細胞に対してアポトーシス(異常細胞の自殺プログラム)を誘導し死滅させるとともに、細胞膜を突き破りDNAそのものを破壊する。
また、癌細胞は栄養補給と転移の為に独自の血管を作り出すが、フコイダンはこの新しい血管の作成を阻止し、癌の転移をおさえるといわれています。

βグルカン

アガリスクや霊芝といったキノコ類などに含まれる多数結合したブドウ糖の一種。食品科学上は吸収できない為、食物繊維に分離されている。
免疫力の向上と、ホメオスタシス(体内の正常化)に効果があるとされている事が、マウスによる実験で効果が確認されています。

βグルカンの効果

βグルカンそのものに強い抗癌作用は確認できません。しかし免疫力を高める事によって、間接的に癌を抑制できると考えられています。
またホメオスタシスにより、抗癌剤や放射線治療による副作用を軽減する事が期待できる為、通常医療のサポートになるのではと考えられています。

さらに、βグルカンは正常な免疫反応に戻すとも言われています。
その為、過剰な免疫反応によるアレルギーに対しても改善効果があるのではと研究が続けられています。

がんワクチン

癌ペプチドワクチン、樹状細胞ワクチンなどを使用する免疫療法の一つ。
手術、抗癌剤、放射線に並ぶ、『4つ目の治療方法』として研究が進められている。

癌ワクチンの効果

正常な細胞には存在せず、癌細胞の表面にのみ現れる「癌抗原」を目標として癌に攻撃を加えるワクチンによる治療方法。
癌抗原の種類は多く、『一方で効果を発揮しても、もう一方では全く効果がない』などまだ研究途中の治療法である。
しかし副作用がほとんどない事に加え、通常医療では対処の方法がない末期癌の患者に対しても回復が認められるなど、高い効果を発揮するケースもある。
先端医療の中でも、期待される治療法の一つ。

補完代替医療の可能性

世界最大の医療機関『アメリカ国立衛生研究所』のには多くの研究所があり、国立癌研究所と並んで『国立補完代替医療センター』が設立されました。
当初は小さな部局でしたが、現在では日本円で130億円を超える予算を割り当てられる重要な施設となっています。
また、日本においても1998年に『日本補完代替医療学会』が発足されました。

日本は元々、鍼灸や漢方薬、柔道整体など補完代替医療を積極的に取り入れている国でした。
しかし、その一方で効果の怪しい高額な商品を特効薬のように宣伝する業者も少なからずいます。

今後、補完代替医療の研究が進み、より安全で確実な治療法が見つかる事も遠い未来ではないのかもしれません。

著者:渡辺芳樹

企画やWEBサイト製作までも手掛ける、ライターもどき
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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。